こんにちは。兼子です。
先日TourBox様から新作の左手デバイス、TourBox Elite(サンプル版)をご提供頂きました。
正直、僕自身左手デバイスを普段使っていなかったので、最初はレビューを断ろうかとも思ったのですが、評判がめちゃくちゃ良かったので提供をお願いしました。

それに何よりガジェット好きには貯まらないデザインをしているんですよね。
というわけでね、このTourBox Eliteをレビューしたいと思います。
もちろん提供にあたってレビューは自由に書いていいとの許可を得ていますので、悪い所も含めてレビューしていきます。
左手デバイスをお探しの方や、イラストレーター、デザイナー、動画編集する方等は是非参考にしてみてください
目次
- 1 TourBoxとは
- 2 TourBox Eliteの価格
- 3 TourBox開封レビュー
- 4 TourBox Eliteの特徴
- 5 実際使ってみての使用感
- 5.1 メリット① 抜群の安定性なので左手は添えるだけ
- 5.2 メリット② チャンネル切り替え不要でワンボタンでほとんどの操作ができる
- 5.3 メリット③ ボタンがほぼ全て違う触感なので覚えやすい
- 5.4 メリット④ イラスト制作にダイヤル3つがかなり便利
- 5.5 メリット⑤ Bluetooth接続が良い
- 5.6 気になった点①無機質なのでとっつきにくさはあるかも
- 5.7 気になった点②価格が高い
- 5.8 気になった点③ 左右非対称なので、左利きの人はちょっと使いづらいかも
- 5.9 気になった点④ 触感フィードバックが”おしい”
- 5.10 気になった点⑤机から落ちたら多分壊れる
- 5.11 人によっては気になるかもしれない点 タブレットやスマホには非対応
- 6 まとめ 高いけどイラスト制作がかなり捗る一品
TourBoxとは
そもそもTour Boxとは?って話を簡単にすると、アメリカに本社を置くクリエイター向けハードウェアを作る会社です。
使いやすさや、作業効率を高める事に全力投球しており、クリエイターのこれがあったら良いな!を全て詰め込もうとしている会社。
このデザインを見ればそれも納得ですよね。
結構左手デバイスって、左右対称のデザインや、ただボタンが羅列されているだけって感じのものが多いですが、このTourBox Eliteは機能性と使いやすさにとことんこだわった結果、かなり独特なデザインになっております。

更にダイヤルに関しても3つもついております。
ダイヤルなんて普通あって1つですよね。
ですがやっぱりダイヤルは3はあった方が使いやすい!というわけでこの小さなボディにダイヤルを3つも詰め込んだようです。
一見「多すぎじゃない!?」って思うかもしれないけど、確かに使ってみるとあるとめちゃくちゃ便利なんですよね。
ちなみにEliteはクラウドファンディングで資金を集めて制作しているのですが、目標金額の1000万は即効で達成し、記事執筆の現在までに8800万を超えております。。。
億にもいくんじゃないかと思われます。

ちなみにTourBox Eliteはまだ正規版は発売されておりませんが、2022年4月末までクラウドファンディングで支援することで商品提供を受ける事が出来ます。
TourBox Eliteの価格
こちら正規販売する際の予定価格は32,980円となっております。
安価な左手デバイスが多数ある中、TourBox Eliteはかなり高めの価格設定です。
それでも8,800万円の支援を受けているわけですから、今までの商品がそれだけよかったからだと思います。
TourBox開封レビュー
というわけで、早速届いた製品の開封レビューを致します。
外箱はこんな感じ。まだ正式に販売されているわけではないので、実際のデザインとは異なるようです。
(正規版には「TourBox Elite パッケージデザインイラストコンテスト」の受賞作品がデザインに使われるようです。)
中身はこんな感じ。
本体とケーブル、製品マニュアル、電池が入っておりました。
本体が持ち運び用の袋に入っているのが地味に嬉しい。
ちなみにケーブルは正規版では付かないそうです。
ただBluetooth接続が出来ますので、そのへんは心配ないかと思います。
別途ケーブルを買うこともできます。
また、マニュアルは英語のみの表記でしたが、こちらも正規版ではしっかり日本語訳されたものが付くそうです。
本体はかなりマットな質感ですべすべしております。
今回ホワイトを提供していただいたのですが、素材的にも色合い的にも指紋等は全然目立ちません。
前面には有線で繋ぐためのtypeC端子があります。
TourBox Eliteの本体重量
本体重量は電池抜きで約380g
かなりずっしりした重さです。350ml缶くらいの重さがあります。
また電池を入れると427gとなり、更に重みが増します。
正直見た目以上にかなりの質量を感じます。
持ち運ぶことを考えると重いのはデメリットですが、デスクに置いて使うタイプのTourBox Eliteに関しては安定感が高いのでメリットでもあるのかなと思います。
こんな感じでカチカチボタンを押しても動かないので、安定感は抜群です。
また背面も滑り止め加工しているので、漬物石でも置いてあるんじゃないかという程の安定感があります。
TourBox Eliteの特徴
続いてこの商品の特徴について書いていこうと思います。
結局のところTourBox Eliteって何かっていうと、ただの左手デバイスではあるんですが、その機能性がかなり飛びぬけている。
なんとひとつのプリセットに300程のキーを設定でき、そのプリセットをいくつも作る事もできるんです。
また、3つのダイヤルにより、例えばカラースライダーや不透明度などをかなり直感的に操作ができます。
左手デバイスとしての機能美のこだわりはかなり強いのかと思います。
NeoとEliteの違い
ちなみに、前作のNEOとの違いは何かというと、大きく変わったのはBluetooth5.1に対応した事です。
前作のNeoではケーブル接続でしたが、今作のEliteはBluetooth接続が可能になりました。(有線でも使うことが来ます)
またデュアルチャンネルに対応しており、2つのPCにボタン一つで切り替えが可能です。
他にもダイヤルを操作する際に、振動させてカチカチっとした感覚を作り出す触覚フィードバックの搭載や、マクロコマンドを打つ事が出来るようになったとか、色々と進化しております。
また、カラーバリエーションも増えて、ブラックとホワイト、そして半透明の3色展開となりました。

引用:https://www.tourboxtech.com/jp/TourBoxElite-show.html
※半透明のものは値段がちょっと高くなるようです。
TourBox Eliteのボタンの数
本体の外観について触れていくと、まずボタンは全部で14個ついております。
押しボタンが11個とダイヤルが3つついております。
また、ダイヤルは押し込む事が出来るので、実質全部で17個のボタンがあります。
これらにショートカットキーを割り振って使用するわけです。
ショートカットキーの割り当て方法
ショートカットの割り当て方法は、専用のドライバーを使って割り当てます。
このドライバーがかなり見やすくなっており、左側にTourBox Eliteの画像があり、そこにキーの名所が書いてあります。
そして右側の画面でショートカットの割り当て設定をします。
ちなみにカーソルを当てると、そこがどこのボタンなのかを左側の本体の画像と連動して教えてくれるので、どこのボタンを編集するかがすぐわかります。
編集したいボタンをクリックすると、編集画面になるので、割り当てたいキーを押してOKを押せば設定されます。
設定の際は下のタグ一覧から選ぶこともできますし、自分でキーボードを打つことでも設定できます。
また、ボタンも組み合わせて設定することもできるし、ダブルクリックの設定もできます。
更に長押しした際、連続でキーが打ち込まれるのか的なとこまで設定できたりします。
なので本当ものすごい数のショートカットキーを細かく設定する事が可能です。
ただ、ここまで設定するとなるとかなりめんどくさそうだなぁ・・・と思う方も多いと思う。
がしかし!
このTourBox Eliteはユーザーが設定したプリセットをダウンロードして使う事が出来ます。
HPのプリセットのページから、使いたいソフトと、日本人ユーザーが作成したプリセットをダウンロードすれば、そのソフトにあったプリセットを使う事が出来ます。
もちろん状況に合わせて変更できるので、使いながら最終的に自分の使いやすい設定にしていくと良いかと思います。
ソフトによって自動でプリセットが切り替わる機能、オートスウィッチ
ちなみにこのプリセットはいくつも作る事が出来て、それらをソフトによって切り替えられます。
これの何がすごいって、自動で勝手に切り替わるんですよね。
つまり、CLIPSTUDIOを使っているときはCLIPSTUDIOのプリセットが適用されるし、Photoshopを立ち上げれば勝手にPhotoshopのプリセットに切り替わる。
ソフトをいくつも立ち上げていたとしても、そのソフトを触った瞬間にそのソフトにあったプリセットに勝手切り替わるんです。
しかもChromeとかメモ調とかに対しても割り当てられるので、使いこなすとかなり使い勝手が良い左手デバイスになります。
実際使ってみての使用感
実際左手デバイスとしてすごいこだわりがあるのは、多分伝わったと思いますが、実際使ってみてどうなの?ってのが重要ですよね。
というわけでしばらく使ってみたんですが、個人的にはかなり良いです。
実は以前CLIPSTUDIO TABMATEを使った事があったのですが、それはあまり自分には合わなかったんですよね。
ただこのTourBox Eliteは個人的にかなりハマりました。

と思われそうだし、客観的に見ても胡散臭さがすごい匂うので、しっかり消臭できるように何が良いのか?について説明します。
メリット① 抜群の安定性なので左手は添えるだけ
まず冒頭の方でも書きましたが、とにかく重量がある分安定感が素晴らしく、左手は置いておくだけってのがとても使いやすい。
TABMATEの場合、握ってないといけないので、キーボードを使う際、いちいち手放して、使う際はまた持ってってのがちょっと億劫だったけど、このTourBox Eliteは左手は置いておくだけで良いのでキーボードとの相性もいい。
メリット② チャンネル切り替え不要でワンボタンでほとんどの操作ができる
また、このTourBox Eliteの特徴でもある、大量のショートカットキーをワンボタンで使う事が出来るのもかなり便利。
TABMATEはチャンネル切り替え的な事が必要で、チャンネルを切り替えるために何回かボタンクリックしないと使いたいショートカットにたどり着けない事があったので、「それならキーボードで良いかな・・・」と思って使わなくなってしまった。
TourBox Eliteでは、だいたい使いたいキーは一通り設定したうえで、まだまだ空きがあるので安心。
メリット③ ボタンがほぼ全て違う触感なので覚えやすい
ただね、それだけショートカットを登録出来たところで、覚えられなければ意味がないわけです。
ですがね、物覚えの悪い僕でも2日程使い続けるとだいたい間違わずに操作できるようになってきます。
というのもキーのデザインを見てもらうとわかりますが、ほぼ全てデザインが違うんですよね。
右上の丸ボタン2つは完全に一緒なのですが、他は形も違うし、突起があったりするので指の感覚でなんとなく覚えられます。
本当ここら辺がよくできてるなぁと思いました。
押し心地も微妙に変化を付けてあるので、見た目以上にかなり工夫された作りになっております。
またサイズ感も丁度よく、わりかし手が小さい自分でもしっかりすべてのボタンをカバー出来ました。
それでもなかなか覚えられない場合、ショートカットガイドを呼び出す事もできるので、ボタンのどこかにガイドを割り当てれば便利かと思います。
▲ショートカットガイド
メリット④ イラスト制作にダイヤル3つがかなり便利
そしてやっぱり3つあるダイヤルはかなり便利。これを使うと3つは必要だと実感できる。
自分の場合、一つは画面の縮小拡大、一つは画面の回転、そして最後はブラシサイズの変更を割り当てている。
イラスト制作に置いてこの3つはめちゃくちゃ使うので、これをサッといじれるのは本当にかなり便利。
キーボードでもできる事ではあるけど、やっぱりダイヤルの方が直感的にできるし、操作しやすい。
メリット⑤ Bluetooth接続が良い
今作からBluetooth接続できるようになったのですが、これが本当に嬉しい。
机の上が綺麗だし、コードをひっかけて落とすとかも無い。
更にBluetooth5.1なので接続もかなり安定していて、急に途切れたりすることも全然ありませんでした。
逆にしばらく使用していないと、勝手に電源が切れるので、電池の無駄な消耗も防げます。
また、いざ電池が切れた場合は有線で接続できるので安心です。
気になった点①無機質なのでとっつきにくさはあるかも
逆に気になった点で言うと、かなり無機質なデザインなのでとっつきにくさはあると思う。
最近の左手デバイスだと液晶が付いていたり、ボタンに番号とかが割り振ってあったりするけど、TourBox Eliteはかなり無機質。
しかも配置もかなり特殊で、結構頭が混乱する。
なので最初はとっつきにくいし、ショートカットキーもどこに割り振ったか確認するのにドライバーを何回も見る事になると思う。
とはいえしばらく使っていれば慣れてくるので、最初だけちょっと苦戦すると思います。
気になった点②価格が高い
あとはやっぱり価格は安くはない。質は良いし、使いやすさ、機能性は本当にすごいと思うけど、左手デバイスとして3万円はなかなか手が出しづらいと思う。
ただ実際はそのぐらいの価値は全然あると思います。
気になった点③ 左右非対称なので、左利きの人はちょっと使いづらいかも
冒頭でも書いた通り、このTourBoxEliteは左右が非対称のデザインになっております。
その為、右利きの人ベースで作られているので、左利きの人は若干使いづらいかも。
とはいえ多分慣れれば全然使えない事はないけど、側面についているボタンに関しては若干押しづらいのかなと思う。
この画像で言うと1番のボタン。
右利きの人だと左手の小指がジャストフィットする場所に来るので使い勝手が良いけど、左利きだと右手の親指になるので、あんまり使わないキーを設定した方が良いのかなと思います。
気になった点④ 触感フィードバックが”おしい”
また、今作から導入した触感フィードバックについても触れておくと、使ってみるとかなりナチュラルな引っ掛かりというか、カチカチカチっとした感覚が伝わってきて、気持ちのいい振動を再現されております。
がしかし!
カチカチカチッて音が結構大きい。
個人的には結構音が気になってしまった。
また電池式のBluetooth接続なので、そこに電池を使ってしまうと思うとちょっともったいない気がしたので、触感フィードバックはオフにしました。
ただユーザーの好みでオンオフできるし、電池も有線接続とかにすれば別に気にすることでもないのでさほど気にするほどではないかと思います。
気になった点⑤机から落ちたら多分壊れる
気になった点の最後が重さです。冒頭でも触れましたが、コンパクトながら電池込みで430g 程の重さがあるので、安定感が抜群にあります。
ただね、その分ちょっと高い所から落とすと衝撃がすごいので雑に扱うと壊れてしまうかも。
価格がかなり高いので、取り扱いには結構注意が必要かなと思います。
なので膝の上に置くとか、不安定なとこに置いて使うのは厳しいかなと思います。
あんまり端っこにおいてもぶつかった時や、地震などで机から落ちると危ないし破壊されてしまうかもなので注意が必要かと思います。
またバックに入れるのも重いし、バックを置く際とかも注意しないと衝撃を与えてしまうので、持ち運びにはあまり向かないのかなと思います。
人によっては気になるかもしれない点 タブレットやスマホには非対応
あと、自分は全然気にしないけど、人によっては気になると思うので一応記載しておくと、このTourBox EliteはPCのみでしか使えません。
スマホやiPadで使いたいなぁ!と思っても使えないので注意してください。
PCに関してはMac、Windowsともに対応しております。
ただChromebookに関しては現状対応してないかと思います。
まとめ 高いけどイラスト制作がかなり捗る一品
というわけで、TourBox Eliteのレビューでした。
値段的には高いですが、それでもハマればイラスト制作がかなり捗るし、作業がちょっと楽しくなります。
それに慣れるとずーっと使いまくるガジェットになると思うので、ここにお金を掛けても良いんじゃないかと思います。
もちろんイラスト制作だけじゃなく、画像、動画編集にも使えるし、中にはプログラミングのコードをショートカットに適用させて使ってる猛者もいました。
とにかくユーザーが自由に幅広く応用して使えるよう作られている左手デバイスです。
握るタイプが苦手な方とか、ショートカットを豊富に割り当てたい人、色々なソフトで使いたい!って人にはとてもおすすめです。
それじゃ